酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

媒染




最初の写真は以前作ったもの。
塗装は拭き漆。脚の部分は松煙を漆に混ぜています。
今回のものは媒染。あまり詳しくありませんが古くはお歯黒、毛染め、草木染め
鉄の包丁で柿の皮を剥くと黒というか紫色になりますね。
鉄とタンニンの化学反応によって黒くなる訳です。
タンニンはポリフェノールの一種ということで柿、栗、緑茶、紅茶、ワインなど・・・
今回は木酢液と柿渋を使ってみました。
鉄分の方はただ酢の中に釘をいれてしばらく置いたもの。
3番目の写真の左側が木酢液を塗って乾いたもの。右側がそれに先の酢を塗ったもの。
古釘ではありませんでしたがちゃんと発色しました。
その後で漆を塗るとさらに黒くなります。
木の器等に使う場合、木酢液は原料となる木材や精製の方法によっては有害成分の含まれている
ものもあるということなので要注意。