酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

卓袱台あれこれ

  


左の二枚は去年、クラフトフェアー用に作った直径1200mm、栗の卓袱台です。
いざ、車に積み込もうと毛布を取るとなんと黒ずんだ滲みが...
仕事場はかなり古い家で瓦も割れていたりして雨漏りするときがあります。
毛布を伝って8〜9cm角の滲みになっていました。がっくり。


気を取り直し今、鉋掛けをしています。
当然、滲みの部分だけとはいかず全体を掛けます。
アホらしいというかアホです。
滲みなので一回だけでは取れません。
それとは別に木地を出してあらためて思うのは黄変です。
友人で家具屋の松本さんはいっさい塗料を使わず鉋仕上げです。
彼の作った栗のものは黄変せず褐色になっています。
僕の作っている栗の杓子も荏油のものはやはり黄変しますが
無塗装のものは褐色でいい感じです。
ちょっと考えさせられますね。
テーブルで無塗装はちょっと抵抗がありますが使い込んでいけば
無塗装のデメリットは固定観念かもしれません。
むしろいい艶になるのかなと。


右端のものは680mmで来月の松本クラフトフェアーに出す予定です。
こちらはテーブル表面と円周面を拭き漆にして他は黒くします。
酢に釘をつけ込んだ媒染液を塗ってあります。
鉄が栗に多く含まれるタンニンが反応する訳です。
昨日、一回目の漆を塗りました。
完成したらまた。