酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

赤朽葉家の伝説/桜庭一樹



初めて読んだ桜庭一樹。なかなか面白い物語でした。
第一部 最後の神話の時代
1953年〜1975年  赤朽葉万葉

第ニ部 巨と虚の時代
1979年〜1998年  赤朽葉毛毬

第三部 殺人者
2000年〜未来   赤朽葉瞳子


サンカを親に持つ捨て子で予知能力のある祖母万葉。
スケ番で後に漫画家になる母毛毬。
平成の世に生まれ何もないお嬢様の私。


人はそれが栄光であれ挫折であれ凡庸であれ時代と云う大河に沈み浮き淀み翻弄されます。
サンカ、製鉄業、学生運動、暴走族、ニート・・・


3部構成でそれぞれのエピソードが時代で区切られ様々な人達が登場します。
語り手の私瞳子(とうこ) の第三部2000年〜今ではなく〜未来という区切り方に万葉、毛毬に圧倒される娘の
それでも淡い希望が感じられるエンディングでした。



サンカのキーワードのリンクに盗賊という説明がありますがこれは適切ではないと思います。