酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

ブルックリン/コルム・トビーン


読みました。『ブルックリン』予想した通りよかったです。
当然、映画を観た後なので役者たちが再登場。
文章と映像がカラーで重なります。



故郷に戻ってから二人の男性の間で揺れ動く主人公のアイリーシュ。
本ではその時、つまりジムというお金持ちで少しシャイな紳士との間に結婚話が持ち上がります。
当のアイリーシュもその気になったりします。
映画を見た後でもえっ?嘘っ!ちょっと・・・トニーはどうするの?


本の中ではアイリーシュはトニーのこと、一緒に過ごしたブルックリンでの時間を夢と中の出来事と捉えます。
現実。一人きりになった母親。申し分のない結婚相手。住み慣れた美しい故郷アイルランド
実際アイリーシュは2年前にダンスホールでジムと会っていてジムはその時に好きだといいそびれたと告白します。
それを聞いてアイリーシュはその時に言って欲しかったと言っています。


でもある事件(?)をきっかけに元に戻ります?ブルックリンでの時間、人生を再開させる決意をします。
僕はどちらが夢のようだったのかなと思いました。
ブルックリンでの時間。数週間故郷に戻った時間。
どちらもが現実でどちらもが夢のごとく。考えてみればちょっと贅沢?
原作の終わりはちょっとあっけない感じもしました。


恋愛が一つの軸にはなっていますがテーマは家族、故郷、属している世界を背景に
一人の女性の成長の過程、女性ならではの(?)人生の選択が描かれているのかなと思いました。
映画と本、両方楽しめましたね。