酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

初めて作った卓袱台

                                                  




平成元年に長野県上松技術専門校を卒業して松本に借りた家は1LDKの一軒家。
6畳間の和室と12畳くらいの板の間。
パン屋でアルバイトをしながら最初に作ったのはトイレットペーパーの芯棒でした。
学校で覚えた丸棒削り。
そして名古屋からの引っ越しで極力荷物は処分したのでまず自分に必要な家具、ご飯を食べる台、テーブル
卓袱台が初めて卒業後に作った家具でした。


どういうわけか家具作りのイメージに機械を使わず手で作りたいというのが先ずありました。
昔は機械というのか電力もないのでまさしく手だけで作っていたわけです。
今松本で一人、年配の方ですが電動工具も一切使わず手だけで家具作りをされている方が見えるようですが
さすがにそこまでは徹底できず電動丸ノコと電動カンナは使っていました。


それから10年くらいはアルバイトとそんな手仕事の生活でした。
アルバイトはもう少し続きましたが
11年目くらいに今借りている仕事場を見つけ木工機械も一通り揃え現在に至っています。


卓袱台の上に乗っている道具の他に物差し、スコヤ、鑿、玄能、ケヒキ、シラガキなどがありますが
手で作った最初の卓袱台です。