酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

グレイン・ノート 椅子展’16/追悼 日高英夫


今年の2月にこの世を去った日高英夫さん。
来月のグレイン・ノートの椅子展には彼の椅子も並びます。


彼との出会いは、もうかれこれ37年くらい前になります。
ほぼ同じ時期に彼は新卒、新規採用で僕は中途採用っていうんですかね
同じ楽器製造メーカーに就職しました。
実は学部は違いますが同じ大学。僕は中退。


ギターを作っていたわけですがギター部門が閉鎖になり彼は同じ関連グループの富士弦楽器に就職しました。
でも何年かしてもっと生活に根ざしたものを作りたいということで会社を辞め、松本の技術専門校、木工科に入りました。



僕の方といえば先の会社には5年ほどいましたがそのあとはふらふらしていて
2ヶ月半ほど旅をした後、彼の影響もあって名古屋の技術専門校に入ろうとして
ちょうど旅から岐阜市の近くにある実家に帰ってきていたんですが
その学校の見学をする前日に彼に電話をしたところ一緒に見に行くと言ってくれて
すぐに松本を発って車で五時間くらいかけて来てくれました。
別に頼んだわけではなかったのですがね。


翌日、名古屋にある訓練校まで行き、彼と一緒に見学しました。
そこは家具専門ではなくて住宅一般というのか広く浅く技術を学ぶという学科だったので
家具を作るのであれば長野県の訓練校の方がいいと言ってくれて
それで木曽にある長野県上松技術専門校を受験して木工科に入学することができたのです。


彼がいなければ今の僕はいません。
恩人です。