酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

黒檀の箸と鉋


 


黒檀はとても固く交錯木理といって鉋を順目(ならいめ)方向にかけても部分的に逆目(さかめ)にあたってしまいます。
通常ならば鉋は2枚刃になっていて重なり合う刃先をぎりぎりまで詰めて削ると逆方向にかけても逆目は止まります。
しかし箸によく使う黒檀(エボニー)や紫檀(ローズウッド)花梨(パドウク)などの木は困難です。


 

そこでこれらの木を削る時は写真の台直し鉋。これを使います。
通常は鉋の台の調整、下端(したば)を削るための鉋でスクレーパー的な使い方をします。
箸を削る時は刃を僅かに出して削ると逆目は起きませんが平鉋で削った時のような光沢は出ません。
削る手間はサクラやナラなどに比べると倍以上かかります。