酒井隆司 生活の道具

良質の労働が良質の社会を形成する。信州松本で家具と生活用具を作っています。

重力ピエロ/伊坂幸太郎 1

内容、結末に触れています。
ストーリーはある放火事件を縦軸に展開して行きます。家族が登場します。両親と2人兄弟。
母親は亡くなっていますがレイプされ生まれて来たのが弟の春。春はレイプ犯である父親を
探し出し撲殺します。そして自ら命を絶ちます。
明るくて優しく仲の良い家族に読者は救われているのかもしれませんし何故か爽やかな印象
さえ受けます。縦軸のストーリーに対して様々な横軸、横糸が織り込まれて物語が作られて
いると思います。
例えばDNA、ネアンデルタール、クロマニヨン、善、悪、私刑、死刑、ガンジーアポトーシス
ガン細胞、セイウチの集団自殺少年法、重力...
中でも、殺すということ。ちょっと話がそれますが最初に読んだ伊坂幸太郎の『グラスホッパー
殺し屋が何人も出てきます。『オーデュポンの祈り』にも桜という殺し屋が出てきます。
この話は寓話というんでしょうか。桜は極悪非道人を有無を言わせず殺します。それでも舞台に
なってる島で平然と暮らしています。殺人公認?
さて重力ピエロは...もう少しかかりそうなのでまた後日・・・